食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06260601545
タイトル 英国健康安全保障庁(UKHSA)、食品に使用されるヒドロキシアントラセン誘導体(HADs)の安全性について、食品・消費者製品・環境中の化学物質の発がん性に関する委員会(COC)による暫定見解書をガイダンスとして公表 (後半2/2)
資料日付 2024年4月3日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06260600545)

 COMは、結腸細胞のコメット(comet)アッセイ(※訳注1)で認められたものも含め、HADsの遺伝毒性作用は、高レベルの刺激、炎症、下痢によって引き起こされると考えた。コメットアッセイにおける結腸細胞のtail moment(※訳注2)の2倍の増加(すべての用量レベルで認められる)は、DNAの反応性により引き起こされたのではなく、活性酸素種(ROS)の生成及び/またはトポイソメラーゼII阻害(in vitroデータにより示されたメカニズム)が関与する間接的なメカニズムによるものである。
 ・COCによる発がん性評価の概要
 COMによる評価に続き、2022年3月に、食品に使用されるHADsの安全性に関するディスカッションペーパーが、HADsの発がん性の可能性に関する意見を求めるためにCOCの審査に持ち込まれた。FSAはCOCに対し、このぺーパーに記載された発がん性研究を再調査し、HADsのリスクと、その情報からHBGVを導き出せるかどうかを評価するよう要請した。
 COCは、HADsを含む植物抽出物に安全性の懸念があるかどうかを評価し、結論するために入手可能な短期間の研究から得られたデータは、現時点では不十分であると判断した。さらにCOCは、HADsは作用機序の異なる化合物の複雑な混合物であるため、単一のグループとしてHADsのHBGVを設定することは不可能であると判断した。
 新たな情報やデータの提供を業界に呼びかけた結果、英国のCRN(栄養補助食品事業者団体)はEFSAの当初の意見書では考慮されなかった関連学術論文の記録をFSAに提供することができた。提供された情報を評価した結果、FSAの事務局は、論文の1つが2022年3月の委員会で提起された疑問のいくつかに対応できると判断した。
 2022年7月、追加の論文が委員会に提出され、その論文はHADsに対する可能性のあるHBGVを提案した。委員会メンバー等は、当該HBGVは新たなデータに基づいておらず、提示された値は、使用された動物の系統の違い、投与方式(dosing regimen)の違い、分析されたエンドポイントの違いなど、多くの異なる変数に基づいていると判断した。委員会は、現時点では、HADsに対する適切なHBGVを結論するにはデータが不十分であると決定した。
 附属書A(※訳注3)は、データが存在する様々な食品のHADsの消費レベルと、それに続くばく露分析を示している。食品、アロエ飲料及び化粧品の複合ばく露量として提示された単一の値に基づくと、ヒトのばく露量は、おそらくヒトの健康に対して悪影響を引き起こすと予想される量よりも少ないと思われる。しかし、ヒトにおける安全性を結論するためには、対処する必要のある大きな知識のギャップがある。今後の研究では、HADsが多様な化合物群であることに取り組む必要があるだろう。したがって、化合物それぞれの作用機序や、食事や化粧品からの個々のばく露レベルに応じて、それぞれの化合物を分析し、評価する必要があるだろう。異なるHADs化合物の間には、かなりの多様性があると思われる。附属書Aに示されたデータは、HADsを含む商品の網羅的なリストではないため、食事でのHADsの消費量を過小評価している可能性が高い。完全なばく露評価には、より広範な食品に含まれる個々のHADsレベルに関するより多くの情報が必要であろう。食品、アロエ飲料及び化粧品に加えて、栄養補助食品からのばく露も完全なばく露評価に含めるべきである。現在のところ、栄養補助食品に関するデータは利用できない。
 英国のデータが不十分なため、COCは、HADsのHBGVについて、個別に、あるいはまとめて勧告することはできなかった。個々のHADsの毒性と英国でのばく露に関する十分なデータが入手できるようになれば、完全かつ具体的なリスク評価を実施することが可能になるかもしれない。
(※訳注1) コメットアッセイは、真核細胞におけるDNAの切断量を定量的に測定する方法であり、化学物質の遺伝毒性の評価に利用される。
(※訳注2) Tail momentは、コメットアッセイから得られるDNA切断量の指標であり、DNA切断量が多いほど数値が大きくなる。
(※訳注3) COC意見書(2024/01) 附属書A「ヒドロキシアントラセン誘導体の消費レベルに関連するばく露データ」は、以下のURLより入手可能。
https://khub.net/documents/135939561/174090228/Annex-A-Exposure-data-related-to-the-consumption-levels-of-hydroxyanthracene-derivatives.pdf/7ec156b9-8572-9ad8-d342-8335a1e08d50
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国健康安全保障庁(UKHSA)
情報源(報道) 英国健康安全保障庁(UKHSA)
URL https://www.gov.uk/government/publications/interim-position-on-the-safety-of-hydroxyanthracene-derivatives-for-use-in-food?utm_medium=email&utm_campaign=govuk-notifications-topic&utm_source=511cc4b0-9d30-486d-927b-4c2a0aa3b4c8&utm_content=daily
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。